18)高齢者が薬を服薬する時にはどんなことに気をつけたらよいのでしょうか


高齢者が薬を服薬する時には

どんなことに気をつけたらよいのでしょうか

 「老化は、脱水の過程である。」という至言があるように、高齢者では脱水を起こしやすく、体の水分の溜め池が小さくなってきます。
 つまり、水分を多くとるとすぐに浮腫が出たり、少ししか摂らないと尿量が減少し、老廃物を尿として外に出せなくなります。水分一つにも注意が必要ですから、薬は、なおさら注意が必要です。
 高齢者では腎臓や肝臓の機能が低下してくるので、薬の代謝や排泄が悪くなり、薬の効力が増強して効き過ぎたり、薬が体内に長く貯留したりして、予期せぬ副作用を起こすことがあります。
 また、高齢の患者さんでは、様々な疾患を併発することが多く、服薬する薬の種類も多くなり、思わぬ薬剤の相互作用を引き起こす可能性も高くなります。そのため、高齢者は副作用の発生が若い人に比べて多いのです。
 また、病気をしたり、お酒の飲みすぎや煙草の吸いすぎなど、若いときの不摂生で、一人一人の生理機能の低下の度合が違います。薬の効き方も、一人一人違いますので、腑に落ちない症状が出たら、自分勝手に飲むのをやめたり、増量したりしないで、医師や薬剤師に相談して下さい。
 
 特に慢性の病気を持っている場合は、たとえ長期間、薬の処方が変わらなくても、一定間隔で医師の指示どおり、診断や検査を受けて体と薬のチェックを行いましょう。